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日本酒の歴史・日本酒ができるまで

      2015/05/22


日本で始めて酒造りがされたという記録は、奈良時代。古事記や日本書紀に記されたもので、酒造り自体はそれ以前から行われていたと推察されます。当時は澄んだ清酒ではなく、にごり酒(濁酒・どぶろく)が作られていたようです。

おひな様の童謡に出てくるお酒もおそらくにごり酒だったよう。衣装から見た時代背景や桃の節句の席で飲まれる甘酒や白酒を見れば一目瞭然ですよね。

現在のような清酒の製法は江戸時代にその基礎が出来上がり、微生物管理の技術の向上や精米技術の進歩により昭和50年代以降に今のような清酒が作られるようになりました。

 

日本酒のトリビア

アルコール、ちょっと添加もしています

醸造用アルコールの添加は、普通酒(一番流通量の多い大衆酒)ではかさ増し目的のために水と共に加えられることが一般的。

吟醸酒などの高級な日本酒にもアルコールの添加は実は行われてます。決してかさを増したりというのではなく、香りを引き立てるためや、味にきりっと締まりをつけるためなど「品質向上の目的の為」に、ごくごく少量を添加しているんです。

清酒、吟醸、大吟醸の違いとは?

日本酒には、普通酒と呼ばれる大衆向けのものから、「特定名称酒」と呼ばれる本醸造酒、吟醸酒、純米大吟醸酒というように表示分けがされています。

これは主に原料と精米の割合によって名前が変わりますが、純米で米を磨くほど、ただ単純に美味しいというわけでもありません。個人的には目安程度に思っていれば良いと思います。

ただやはり、玄米の3割の重さまで磨いた大吟醸ですと、良い米をたくさん使わなくてはならないですから単純に価格は高くなります。大吟醸の一升瓶は、時に驚くほどの高値が付いていますよね。ですが、男性の顔の好みのように、一般的にイケメンでもそれがそのままあなたの味の好みになるとは限りません。

昔ながらのどぶろくだって、根強いファンが多くいるのですから。

酒と神様の話

お酒というのは人間の歴史に古くから関わり、宗教や神事にも深く結びついてきました。日本酒も例外ではなく、神様への捧げ物としてのお酒『お神酒(おみき)』はあまりに有名です。

また、どんなものにも神が宿ると信じられていた古来日本の神道的な考えでは、酒造りの神様は女神で、蔵に女性が入ると嫉妬し、酒を腐らせてしまうという言い伝えがあり、近年までは酒蔵は女人禁制とされてきました。
日本の神話に登場するコノハナサクヤヒメが酒造の神とされることが多く、これはコノハナサクヤヒメが三柱の神(神様は一人二人ではなく、一柱二柱と数えます)を生んだときに、コノハナサクヤヒメの父であるオオヤマツミノカミが稲穂を持ってきて祝い、コノハナサクヤヒメがそれで天舐酒(あまのたむけざけ・現在の甘酒)を作り子供に飲ませたというエピソードから、オオヤマツミノカミが酒解神(サケトケノカミ)、コノハナサクヤヒメが酒解子神(サケトケコノカミ)と呼ばれたところから来ていると言われています。

また地方では松尾様(まつおさま)という女神を酒造りの神として奉っている地方もあります。

酒蔵にNGなもの

『女神が嫉妬して、酒を腐らせる』という、いかにも人間味あふれた言い伝えですが、一方で女性の「穢れ」が麹菌をダメにしてしまうからという言い伝えもあります。

古来より女性は神聖なものであるとされましたが、初潮や月経、出産など『血を出す』生き物である→血で穢れているともされてきました。昔、酒造りをする職人-杜氏(とうじ)-は命がけで酒を造り、万が一酒が腐る『腐蔵(ふぞう)』が起こると自殺してしまう杜氏もいたほど。

麹菌の繊細な働きによって造られる日本酒ですから、もし蔵の大樽一個が腐ってしまえば、同じ空間にある他の酒樽もたいてい全滅してしまうのだそうです。

昔、女性は月経になると穢れと言われ、離れで安静に横になっていました。腐蔵の原因がはっきりと解らなかった時代、原因と考えられるようなものは少しでも遠ざけたかったのかもしれません。

現代では、それは迷信とされて徐々に酒造りの現場に女性も進出してきました。慣習が多い世界でもあるので、まだまだ少ないそうですが。
言い伝えや迷信ではなく、現在酒造りの現場で最も危険とされているものがあります。
それは納豆です。納豆菌は生命力が強く、繊細な麹菌を全滅させてしまうのだそうです。なので、杜氏は絶対に納豆を食べられないんですよ。

Sakeは世界共通語

日本酒は近年世界でも注目を集めるようになり、人気が上がってきました。海外のレストランでも置いているお店が増え、呼び名はずばり「さけ(Sake)」です。

西欧で一般的なワインやシードルはフルーティさが特徴ですし、ビールは苦味としゅわしゅわが特徴です。そのどれでもない、クリーンで米の甘さを感じる透き通った日本酒は、エキゾチックでクールな日本のイメージと共にじわじわ広がっていきました。

私たちが、ワインを飲みちょっと良いチーズをつまんで雰囲気に浸るように、海外の人も、寿司を食べながらキュッとお猪口の日本酒を飲んで、粋を味わっているという感覚なのかもしれません。

 

日本酒ができるまで

精米した米を蒸し上げ、その一部に麹菌を混ぜ合わせて、米のデンプンを糖化させます。続いてそこに水と蒸した米を加えて仕込み、更に水、米麹、蒸した米を加える3段階の仕込が特徴です。

約15%を超えると微生物が死んでしまいアルコール生成がストップしてしまうといわれている醸造酒の常識においては例外的に、日本酒はアルコール度数約20%前後の原酒を造り、それを絞って瓶詰めされます。

この搾りかすが、スーパー等でよく見かける酒かすです。

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