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アブサンの歴史・アブサンができるまで

      2015/05/24


ほのかな甘みがあり、漂う強烈なハーブの香りが印象的なアブサンは、まるで薬のシロップを強烈にしたような感じ・・・というと、うまく伝わるでしょうかね?一度口にしたら忘れられないこのアブサンは、19世紀にフランスの芸術家に愛され、作品の題材になることもよくありました。

ただ、度数が非常に強く価格が安かったことからアルコール依存症に陥りやすかったり、主原料のニガヨモギに含まれる「ツヨン」という成分が幻覚等を抗精神作用を引き起こすといわれて、その後100年もの間多くの国で製造が禁止されていたいわく付きの歴史があります。

1987年にFAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が、「一定の濃度以下であれば安全」という提言が発表されて、その翌年から各国で生産が再開されるようになりました。そもそもアブサンは、スイスで作られていたニガヨモギを原料とした薬を、ピエール・オーディナーレという医者が蒸留を応用して独自の処方を発案したことに始まります。そのレシピをぺルノーという酒造メーカーが買い取り商品化したのが製品としてのアブサンの発祥です。19世紀末から20世紀の終盤まで、一部の国で禁酒されて、今現在は解禁されています。

 アブサンのトリビア

白濁する・・・?

ニガヨモギの鮮やかなグリーンが特徴のアブサンですが、加水をするとまるで牛乳で伸ばしたかのように白く濁ります。なぜかというと、アブサンの中の水に溶けない成分が、加水によって析出されることで起こる現象です。珍しく感じますが、一部のウイスキーでも起こる現象なんですよ。

どうやって飲む?緑の魔酒アブサン

怪しさに満ちたアブサンは、飲み方もちょっと特殊です。「アブサン加水機」という専用の変わった機械をつかって水を注いだり、スプーンの上に角砂糖を載せてアブサンを染み込ませてから火をつけたものを、アブサンにぽちょんと入れて飲んだりします

ニガヨモギはヨモギと違う?

草もちに入っていヨモギは「Artemisia princeps」という学名。ハーブとしては、アルテミシアとイコールの植物で、一方ニガヨモギは「Artemisia absinthium」。そう、お酒の名前の由来ともなったアブサン。フランスではニガヨモギはそのままアブサンと呼ばれます。普通のヨモギと名前の通り香りと味が違い、とても苦いです。ニガヨモギといえば、ハリーポッターの劇中で一番最初の魔法薬の授業で「生ける屍の水薬」の材料として登場しました。

アブサンができるまで

キク科の多年草「ニガヨモギ」をメインのエッセンスとして、複数のハーブをはじめとした多様な原料を使って作ります。作り方は様々だそうですが、ハーブのチンキ剤を作るように、アルコールに植物のエキスを抽出してから蒸留し、更に材料を加えて仕上げる作り方が伝統的です。

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